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ながれ星を見たトビタは何を思う

福山雅治、彼は真の意味で「完璧」だ。

ご存知の通り、顔が良い、背が高い、声が良い。だがそれだけではない。
彼は作詞・作曲も自分で行う。しかもそれが、抜群に良い。

「ながれ星」という福山雅治の歌がある。トビタが初めてこの曲を聞いた時、福山雅治に対して、加藤鷹以来の尊敬の念が芽生えたことを覚えている。

とにかく世界観が完璧。女性の気持ちを歌うのに、どうしてここまで完璧な歌詞とメロディを生み出せるんだ。

「ながれ星」に出てくる女性は、とにかく切ないのである。悲しいのである。どこかに憂いを抱えているのである。こんな完璧な女性像を描けるなんて、福山雅治は完璧だ。

ちょうどその頃、トビタはある女と出会った。顔はまぎれもなくきれいだ。スタイルも良い。
でもひとつ、気になるところがあった。この女、どこか憂いを帯びている。

別に不幸を語るわけでもない。不遇を嘆くわけでもない。でも、何か幸せではないオーラがその女には見えるのだ。

そう、まさにこの女は、「ながれ星」の女性のようなのである。美しいのだけど、どこか悲しい。何となく切ない。まるで「ながれ星」の曲に出てくるあの女性。

トビタはこの女を星子と名付け、いつしか星子と福山雅治の「ながれ星」はセットになった。
もうかれこれ2年前の話である。

それから星子とは何もなかったが、実は先日、久しぶりに星子と再会した。
きっかけは、先日も書いた、トビタのスマホ購入。この時にトビタがアドレス変更のメールを星子に送ると、普通に返信が来たので、興味本位でメールを続けてみたのである。すると食いつく食いつく。
どうした、星子。なぜそんなに俺に興味を示す。

おそらく、一般とは少し違うトビタの仕事内容に興味を持ったのだろう。無所属のはしくれであるエロ男子を見て、星子の独立願望が共鳴したらしい。なんと毎週誘ってくるのだ。

当然、トビタはやる気になった。結果、2年ぶりの再会を果たしたのである。

2年ぶりに星子と会って、トビタは驚いた。とにかく影がない。「ながれ星」のような切なさが消えているのである。独立という目標を見つけたからなのか。とにかく明るい。

そしてトビタを調子に乗らせる。「本当は別の予定があったけど、強引に空けたんだよ」なんて言ってくる。
「メールの返信遅いよね」なんて言ってくる。これは、どうしたんだ。

トビタも調子づいて将来の夢を語った。星子は心なしか下半身をくねらせている。まさか感じているのか? これはもう押すしかない。

トビタは満を持して「星子は将来どうなりたいの?」と質問。夢を語り合う形で、一気にフィニッシュまで持っていこうと考えたのだ。
いやあ、まさかあの星子を抱ける日が来るとは。人生は分からないものだ。

トビタに将来を聞かれた星子は、突然、バックからノートを取り出し、何やら図を書き始めた。そしてこう言った。

「私は将来、働かなくても稼げるようになりたい」

ん? いまいち言っている意味が分からない。トビタは首をかしげていると、星子は変わらずノートに色々と文字を書き込みながら、何やら熱く説明し出した。

「たとえばマンションを持っている人は、働かなくても毎月これだけの収入が入ってくるよね。あれって一番幸せじゃない? トビタもそう思うでしょ?」

ん? トビタは依然として話の要領がつかめずにいる。

「でも、マンションは相当な資金がないと買えないよね。だけど、実は資金がなくても『働かずに稼ぐ方法』がひとつだけあるの。私の知り合いの社長はそれで年商1億だよ」

ん? ん? これって…ん?

「トビタは今の仕事でそれなりに安定してるかもしれないけど、将来何があるか分からないじゃん。だから、副業による収入も考えてみた方が良いと思うんだよね。私はその方法を教えてもらって、考え方が変わった。どう、詳しい内容知りたい?」

知りたくねえよ。

おい、マジかよ、星子。お前いつの間に、ねずみ講になったんだ。

初めて会ったときに見せた星子の憂い、悲しみ、切なさ。「ながれ星」のようなはかなさ。それらが消えた代わりに、星子はうさんくささ満タンになっていた。

トビタは思わず涙しそうになった。
2年前、トビタの心に深く刻まれたあの憂いある表情はどこに行ったんだ。なぜか心を離れないあの寂しい面影はどこに行ったんだ。「ながれ星」のイメージキャラクターになった、あの時の星子はどこに行ったんだ。

女性の背負う悲しみ・憂いは、時にその女性を誤った道へと進ませるのか。トビタはあまりの切なさに、トイレへ行き、シュボシュボと縮んだ息子をなぐさめた。

そして、「もう良い時間だから帰ろう、星子」と、冷たく言い放ったのである。

あまりの切なさに、言葉も出ないトビタ。ゲットできなかったことなど微塵も悔しくない。そんなもの、日常茶飯事だ。だけど、星子のような「美」を持つ女性が、こんな風になってしまったことがたまらなく悲しい。
ああ、あの時の星子はもういないのか。

星子は星子で黙っている。当たり前だろう。勧誘に失敗したのが面白くないのだから。見るからに落胆している。
だが、そんな星子に同情などしない。それよりも、星子をこんな道に追いやった世の中に苛立っていた。

しかし、どうしたことだろう。
それからしばらく歩いて、駅の前に来た時、ふいに変な感情が芽生えた。依然として黙っている星子に対して、妙な親近感を覚えたのだ。

何だろう、この気持ち。星子の落胆する姿に、なぜトビタは親しみを感じるのか。

少々考えて分かった。
トビタが期待に応えなかったために落胆する星子の姿。これはよく見たら、風俗で騙されて、トボトボと帰るトビタにそっくりじゃないか。

上野で中国人に騙され、おばちゃんの手コキを受けたトビタ。新橋で50代のおばちゃんに「あたしオッパイ感じるから揉んで」といわれたトビタ。泥酔状態の池袋で、「お触り禁止のセックス」という、訳の分からないプレイを強要され、ウン万円取られたトビタ。
まるであの時の自分が、今の星子と重なっているように見えたのだ。

ということは、福山雅治の名曲「ながれ星」を連想させる女だった星子は、2年の時を経て、「飛田新地は心の故郷です!」と宣言する、歩くチンコマンに成り下がったといえる。 


つまり、悲しいことに変わりはない。ああ、さよなら星子。
プロフィール

トビタ シンイチ

Author:トビタ シンイチ
24歳のときに訪れた飛田新地に深く感動。以来、あの地を心の故郷と仰ぎ、風俗にハマる。最近は素人にも興味を抱き、合コンやナンパ三昧の日々を送る変態ライター。
「飛田新地は文化遺産だ!」委員会会長(会員1名、後援会員6名)

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