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合コンに行って、目星の子を見つけて、手を出す。いい加減このサイクルに飽きてきたトビタは、新たなチャレンジに打って出た。
そのチャレンジとは、処女攻略。いわゆる女の子の「初体験」に、トビタが関わろうということなのだ。
恥ずかしながらトビタ、これまで処女膜を破ったことがない。むしろ避けてきた。
それも仕方ない。なぜなら10年近く前、一度、処女とホテルへ行った際、トビタの指攻めがまったく通用せず、相手のアソコはアフリカの砂漠状態だったから。
その後の展開が分からなくなったトビタは、完全な敗北を喫した。濡れたのは、女のアソコではなく、トビタの瞳だったのだ。
某日の合コンで出会った処女のS子は、露骨にトビタをベタ褒めした。そのため、トビタは自然と(決して自分の意志ではないが)、S子の担当となったのだ。
この時、トビタは「よし、これを機に処女リベンジを果たそう。己の苦手意識を克服しよう」と息巻いた。
幸か不幸か、S子はトビタに好印象を抱いているようだ。普通なら1回目のデートでそのままホテルへレッッゴーだが、相手は処女。もう少し、会話で信頼を与えるべきだ。
2回目のデート。合コンから数えて3回目の面会。ここでトビタは告白しておこうと考えた。
というのも、S子は不幸なことに完全にトビタに「ホの字」。もはやトビタのアプローチ待ち。なぜ処女に限って、ここまでトビタを好きになるのか。それを考えると妙に残念な気持ちになるが、まあいいだろう。
それより、処女に「エッチ」というネクストステージを要求するには、まず交際状態になるのが最善。だから、本来あまり使わない「付き合う」宣言をしてみた。
「付き合ってほし…」と、言いかけたトビタに対し、S子は被り気味に「お願いします」と返答。そしてもう一度「ぜひお願いします」と語気を強めてきた。
こんなに前のめりで来られると、今さらながら怖くなってきたトビタだが、もう後戻りできない。
その日はエッチを少しちらつかせたが、S子はその勇気が出ないようで、健全に解散した。
そして夜、S子は「名前なんて呼べばいい? シンイチ君だとよそよそしいじゃん」とメールしてきた。トビタは「別に呼び捨てでもいいよ」と返したが、S子は嫌らしい。結論は出ず、その日のメールは終わった。
その2日後、S子からメールが来たのだが、気になることが1つあった。
それは、トビタの呼び名が「シンイチ氏」になっていることだ。つまり、「シンイチ氏は今日何してたの?」という具合。
トビタは面喰った。
S子に「なんで『シンイチ氏』なの?」と聞くと、「これ、いいでしょ? 『シンイチ氏』って呼ぶことにしたの」という衝撃発言が返ってきた。
氏ってなんだよ。名前に氏をつけて呼ぶなんて、『電車男』以来だよ。
トビタは当然、「氏ってかなりエキセントリックだね。ちょっと戸惑いあるよ」と、やんわり抵抗したが、「なんで? 私は気に入ってるよ。いい呼び方見つかったね」と、もう止まらない。トビタはさすがにうろたえた。
トビタは急に寒気を感じ始めた。そして、やっと冷静な気持ちになった。つまりは、「俺はなぜ、この子に時間を費やしているのだろう」というフラットな視点。
見た目が好きなわけではない、話していて楽しいわけでもない。おまけに「シンイチ氏」と呼ばれる。それでもアプローチする理由は「処女だから」。その一点だけ。
果たしてそれは、正しいのか。そこまでして処女を攻略する意味があるのか。
そこでトビタはS子に渾身のメールを送った。内容はこうだ。
「ごめん、実は先週、元カノと会ってまた付き合うことになった。俺もその子に未練があったかもしれない。本当に申し訳ない」
なんてゲスな男なんだろうか、トビタは。
もちろんS子はカンカン。「色々と最低だから」と散々ののしられた。だが、トビタの決意は変わらない。すべては中途半端に処女攻略を目指したトビタが悪い。ひたすら耐えた。
修羅場を乗り越え(一方的に罵られるだけだったが)、S子と別れたトビタが感じたことはひとつ。
処女膜とは、アソコだけに張られているのではなく、処女の心にも張られているということ。つまり、20代後半の処女には、心に何らかの特徴がある。それが処女たる理由であり、男が入ってくるのを止めてしまう膜になっているのだと。
この一件から、処女を攻略するには、心の処女膜を気にせず攻められるかがポイントだとよく分かった。
処女に挑む際は、ぜひ参考にしてもらいたい。
ただトビタは、しばらく処女に挑む気は起きない。