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風俗初心者に対する「優しさ」とは何か?

大学時代の友人が東京に来た。風俗初心者の友達は、「東京に来たからにはソープに行きたい」と息巻く。
トビタは、最近すっかり足が遠のいていたが、友達があまりに行きたがるので、覚悟を決めて吉原に案内した。

地方から来た友達に、苦い思いをさせたくない。吉原のソープ街を堪能して欲しい。
だからこそトビタは、最初から行く店を特定せず、目星の店を何軒か回って、写真を見ながら決めることにした。

友達は「え、一回店に入ったら断れないんじゃないの?」なんて焦り出す。
ふふふ、懐かしい初心者の感覚。トビタも昔はそう思っていた。でも、吉原は、というか風俗店は、そんな冷酷なものじゃない。
写真を見るだけで店を出ても、何の問題もない。

梅雨とは無縁の日差しを浴びて、トビタとトビタフレンドは吉原にたどり着いた。
「すげえな」。友達がボソッとつぶやく。さて、ここからこの街をイヤというほど歩いて、運命の出会いを探そうか。トビタはとにかく歩きだす。

歩き出してすぐ、左からボーイさんが声をかけて来た。友達はさっそく反応。「いったん、あの店で写真を見てみたい」という。
いいだろう。とりあえず写真を見て、雰囲気を味わってから、トビタおすすめの店に行こうではないか。

なお、当然ながら、トビタはこの店で勝負する気などサラサラない。

春も夏も秋も冬も、一人で何度もソープに通えば、店の佇まい、ボーイさんの対応、店内の雰囲気、写真の作りを見ただけで、その店の「誠意」が分かるようになる。
この時入った店には、お世辞にも誠意はなかった。

待合室に入り、例により写真を見せられる。トビタは分かった。これは、信じてはいけない写真だと。
しかし、トビタはすっかり忘れていた。風俗初心者の感覚を。

「この子かわいいじゃん」
写真を見た友達は、明らかに今までより高いトーンでこう言ったのだ。トビタは「まずい」と思った。
友達は間髪入れずボーイに質問。

「ちなみにいくらですか? あんまり高いとキツイんですけど」

するとボーイは、「今回は時間も時間なんで、5000円引きますよ」と提案してくる。友達は「マジですか!?」と興奮し始めた。
まずいまずいまずいまずい。これはまずい。
そんなあっさり値引きする店は、信用してはいけない。

「トビタはどう思う?」と友達が聞いてきた。
トビタは「正直ピンと来ていない」と言った。つまり、この店を出たいという意味だ。だが、友達は止まらない。

「マジかあ。俺、この子が良いんだけど。このリンリンちゃんに決めたいんだけど」

トビタには確信があった。この店では絶対に良い思いは出来ない。
だが、悲しいかな、その思いをここで友達に伝えることはできなかった。もちろん、ボーイさんが目の前にいるので、露骨な店の批判は出来ないということもある。
でも、一番の理由はそこじゃない。

たとえば、ここでトビタが強引に説得して、リンリンちゃんをあきらめさせ、ほかの店に行くとする。
その決断は間違っていないと自信を持てるが、でも友達はずっとリンリンの存在を引きずる。たとえ次の店でキレイな子が出てきても、「リンリンちゃんとしたかったなあ。あの子きれいだったなあ」となる。

もし、次の店で60点の子が出てきたら、「なんでリンリンちゃんに行かせてくれなかったんだよ」となる。
友達は、リンリンちゃんと出来なかったことをずっと悔やむ。

風俗では、一度でも連れが「この子に行きたい」という嬢を見つけたら、もうそれに付き合うしかないのだ。
いくら写真と本物が違うと分かっていても、いくらプロフィールの年齢とまったく違う子が出てくると察していても、一度火が付いた男の気持ちを妨げることに何の意味もない。
実際に会って、その目で確かめさせるしかないのである。

結局、友達はリンリンを、トビタはまったくピンと来ない女の子を選ぶことに。
仕方ないから、トビタは巨乳の子を選んだことは言うまでもない。

そして、結果がどうなったかも、言うまでもない。
事が終わって、友達と待合室で会った時の絶望した表情。70分前、「俺はリンリンが良い」と言っていた時の、あの希望に満ちた表情とはかけ離れた、憔悴した友達の顔をトビタは忘れない。

やはり、写真とはまったく違ったのだ。

もちろん、トビタの選んだ子も写真とは別人。
ただ、トビタは最初から何も期待していなかった。だから、結局しゃべって終わった(こんなことはさすがに初めてだけど)。
だって、嬢の背中にはモノホンの刺青が入ってるんだもん。背中で鯉が泳いでるんだもん。

トビタは落胆する友達の顔を見ながら、改めて考えた。いったい、風俗初心者に対する優しさとは何なのだろう。
70分前の自分の判断は、正しかったのだろうか。やはり強引にでも、リンリンへの幻想をかき消すべきだったのではないだろうか。

いや、やっぱりそれはできない。もしあそこでリンリンと友達を引き離したなら、彼は何も成長しない。
今回の経験は確かにつらいものだが、しかし、それは確実に糧になる。

誰が言ったか知らないが、つまりはこれこそ「授業料」。
結局お金を払わないと、風俗の楽しみ方は永遠に分からないということなのだ。

ということで、風俗初心者をを案内する時は、くれぐれも慎重に。


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プロフィール

トビタ シンイチ

Author:トビタ シンイチ
24歳のときに訪れた飛田新地に深く感動。以来、あの地を心の故郷と仰ぎ、風俗にハマる。最近は素人にも興味を抱き、合コンやナンパ三昧の日々を送る変態ライター。
「飛田新地は文化遺産だ!」委員会会長(会員1名、後援会員6名)

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