初めて早漏を体験した日、俺は大いに焦った。だって、入れたが最後、あっという間に終わったんだから。
冗談抜きで、2・3回動いただけ。
俺は忘れない。あのときの彼女の「信じられない」という表情を。
普段、エッチなんかまるで興味なさそうだったくせに、あの日はパンツ一丁で説教を受けた。
でも本当のことを言うと、このときはまだ余裕だった。
なぜなら、射精のペースを元に戻せば問題ないと思っていたから。
そうすれば、またグイグイ動かせるはずだ、と。
そして迎えた次のエッチ。
今度は事前に一人で出しまくり自信満々で挑んだが、いざ始めてみると、あらもう終わり。
前回同様、1分も持たずに腰を振るのをやめていた。
完全なる敗戦。ここに来て初めて、俺は真剣に早漏で悩みだしたのである。
それからは毎晩、寝る前に相棒と向き合った。
今までは何気なく見て適当に一人発射していたAVも、その日からはトレーニングの道具へと変わった。
例えば、男優が前戯を行う。すると当然、女優が応戦してくる。
結合前のこんなシーンは今まで早送りの対象でしかなかったのに、早漏を自覚した俺は、全編男優の動きに合わせて股間をいじり、男優と同じパフォーマンスを相棒に強要した。
まさに俺と男優とのガマン比べ。あんなに苦しかったオナニーは生まれて初めてだった。
同時に、男優という職業のすごさを体感したのも事実だった。
他にもネットで「1日3回、相棒を強く握りしめると耐久力がつく」なんて情報を見ようものなら、
俺はさっそく実践した。力いっぱい握りしめた。
1日3回と言わず、30回。片手と言わず、両手で。
だけど、やっぱりダメなんだ。今まで自由自在に出来ていたエッチが、まったくの別物。
何度やっても克服できない。あのときはなかなか焦った。
今考えると、気持ちの問題だったと思う。
一度早漏を体験した男は「次こそは」とか「耐えないと」という不安や緊張に支配され、それが早漏につながるのではないだろうか。
だけど、あのときは余裕がないから、そんな風に落ち着いて自分を見ることもできない。
だがしかし、大切なのはここからだ。
深い深い早漏地獄にハマっていた俺だが、なんと、早漏のままでも相手を満足させる方法を見つけたのだ。
その方法とは、ずばり「イったのにイってないフリをする作戦」。
3日間射精をせずエッチに臨んだとき、俺は確かに一瞬で果てた。でも、そのとき発見したことがある。
それは、果てた後わずか10秒経っただけで、俺の頼もしい相棒はカッチカチになっていたということだ。
しかも、果てた直後もある程度の堅さは保っていた。
とはいえイったばかりだから、感覚はまったくない。つまり、腰を振っても気持ち良くはない。
だけどこれなら、イったことを隠したままエッチを続けられるかもしれない。
これしかない。
プライドなんて関係ないんだ。説教を逃れられるなら俺はなんでもする。
そして迎えた勝負の日。俺は作戦を実行した。
結末は次回へ。
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