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すべてはあの谷間から始まった…【後編】

谷間女と2人で遊んだ帰り道、「じゃあ来週の金曜にまた会おう」と向こうから提案してきたので、確かな手ごたえを感じながらその日はゴネずに別れた。
来週は一発できるから、それまでにもう一度うまいエッチのコツを研究しておこう。そんな風に思っていた。

そして水曜、2日後の確認メールをすると、返信がない。
まずいな、と思いながら次の日再度メールを送ると、夜中の2時頃に「ごめん、今やっとあいポン見れた。昨日から風邪ひいちゃって。明日のはとりあえず延期にしてもらって良いかな」と返信が来たのである。

ああ、こんなことならゴネれば良かった。この数日の間に、谷間女は考え直してしまったのである。
おそらくこのまま2回目のアポとなれば、そこで一発は確実。彼女は明らかに思い直してしまったのだろう。
ちなみにあいポンとは、iphoneのことらしい。

さすがのトビタもあきらめムード。念のため「じゃあまた空いてる日あったら教えて」とメールしたものの、返信はなし。その後、もう一回メールするも返信なし。

それにしてもここまで態度が豹変してしまうと、さすがに悔しい。
俺の変な噂でも聞いたのかと思ったが、別に共通の知人がいるわけでもない。無念の思いである。

それから3週間くらい経った頃だろうか。突如、谷間女からメールが来た。
「今までバタバタしていてごめん。よかったらまたご飯いこ」なんて書かれてる。
で、返信するとまたそこから音沙汰なし。おい、お前は結局何がしたいんだ。

さらにその1週間後、「今週土曜なら空いてる」と連絡が来たのである。
はっきりいって、こんな誘い乗るべきではない。これまでの経緯を考えたら、到底勝ち目はないのだから。
正直、お金の無駄だ。

しかし、今後のトビタの成長を促すためにも、こういう子に挑んで経験を積みたい。

そこで考えたのが、真っ昼間に会うプラン。夜だと飲み屋などに行くためお金がかかるから、午後会って喫茶店に行く。
その後、一か八かのホテル交渉だ。これなら格安。

ということで14時に待ち合わせたのだが、その服装は前回のロリコン衣装よりさらに強烈。
金髪のウィッグ着用で、しかも黒づくめ。脚にはサソリとクモの刺繍が入っている。

いかんいかん、これは手に負えない。俺が戦うべき敵ではない。かなり戸惑いながらもとりあえず喫茶店で2時間。
その後、どこに行こうか考えているときに「渋谷でゆっくり話せる場所ってホテルしかないよね」と冗談めかすと、これがまんざらでもない。

いやあ、こんなに苦しそうな状況からでもホテル行けるんだ。楽勝だな、と思いながら真っ昼間のラブホに入室。
5分間テレビを見てから、さっそく仕掛けた。すると

「ちょっと、ちょっと、何するの。落ち着いて!」

まさかの拒否。その後、何度もアタックするもすべて拒否。
「添い寝なら良いよ」と言ってくるので、そうか、段階を踏みたいのかと、添い寝から徐々に手を出すとついにキレて「もう帰る! 二度と会わない」と吠えられた。

結局この日は敗戦。この女、意味がわからなすぎる。
そして、低コストのはずが、結果は何もせずただホテル代を払うという結末。

俺は悔しさのあまり、近くのソープに飛び込んでしまった。
振り返れば、大出費の一日。
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プロフィール

トビタ シンイチ

Author:トビタ シンイチ
24歳のときに訪れた飛田新地に深く感動。以来、あの地を心の故郷と仰ぎ、風俗にハマる。最近は素人にも興味を抱き、合コンやナンパ三昧の日々を送る変態ライター。
「飛田新地は文化遺産だ!」委員会会長(会員1名、後援会員6名)

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